| サントラとは一線を画したオリジナルコンセプトのアルバムとしては「マークの幻想の旅」以来の3作目だが、往年の面子はピニャテッリとグアリニ、1曲だけ参加のアントニオだけ。ギター、鍵盤、タイコ、ヴォーカルと新たな面子がジョイントする中、その内容も従来のイメージとはかけ離れたポップな曲がズラリと並ぶ。希少なオリジナルアルバムにも拘らずCD化される気配も皆無の作品だが、個人的にはそんな状況も信じられず。と云うのも、これは一から十までどこを取っても一級品の内容。洗練されたアレンジやプレイのクオリティはもとより、粒揃いの楽曲がズラリと並ぶ内容は、英米アーティストの作品とは一線を画した個性と充実度。リリース当時の巷でのリアクションなど全く知らないが、モノホン志向のファンには大喝采を浴びていたはず。 |
| サンレモにエントリーしながらも、結果的には落選した当時のメンツだが、そんなエピソードから伺えるのも、寄せ集めのメンバーで録音した気まぐれなアルバムではなかったと云う事。サンレモの選考委員が何を基準にしていたのかは判らないが、何れにせよ、このアルバムが埋もれたままと云うのもあまりに勿体無い話。プロフェッショナルな本質部分も然る事ながら、味のある楽曲は何度聴いても飽きる事がない。最終トラックの"EST"を除けば全編イタリア語のヴォーカルアルバムだが、個人的には英語以外のポップアルバムの中でも勝手にベストワン。と云うより、英米のポップな名盤を引き合いに出しても引けはとらず。とにかくイイ。ちなみに、作詞を手掛けたチンツィア・カヴァリエーリ(Cinzia Cavalieri)は、後にグアリニの奥さんになる女性。 |
| マウリツィオ・ジャンマルコの木管も最大の聴き所。ジャンマルコと云えば、ゴブリンファンにはお馴染みのジョルジョ・ガスリーニはもとより、チェット・ベイカー、シモネッティの"X-TERROR FILES"("Gamma"のカヴァー)、そして"PERIGEO"や"NEW PERIGEO - Effetto Amore"でもお馴染みのズージャ畑の人。ピニャテッリ+グアリニ+ルジーニ+リナルドゥッツィ+ウィルソンと云う中心クインテットに客演として参加するジャンマルコだが、その垢抜けたプレイがアルバムのグレードを引き上げていたのは云うまでもない所。ポップなアルバムではギターや鍵盤が花形ソリストだが、ここでのA面およびB面トップでフィーチャーされるのはジャンマルコのソロ。呼んだ側のリスペクト度も伺える。 |
| そんなサックスのジャンマルコを始め、パーカスセクションでは草創メンバーのマルティーノやトニー・エスポジート、アコピのジャンニ・メッツァ、最終トラック"EST"で登場するアントニオなどゲスト陣も何気に華やか。メンズトリオ編成による絶妙なコーラスアレンジを聞けば、頭数だけのクレジットではなかった事も歴然。出色のポップナンバーが軒を連ねる中、締め括りはやはり硬派なインストだったりするが、この辺りの拘りもファンにとっては嬉しい所。リナルドゥッツィのギターも全編通じてかなりイイ。それにしても、この作品がアナログリリース止まりと云うのも信じ難い話。洗練されたポップセンスと出色のインストが昇華するアルバムなんてそうザラにはないぞ。 |
|
|