01. TENEBRE 4:34
ヴォコーダープラスとマリンバ系音色のユニゾンによるイントロ兼トップのパート、ミニムーグによるテーマのパート、モランテのスライド2小節やティンパニ他の生パーカスをフィーチャーする重厚なオルガンのパート、Gm/A/Bbのトライアド分散を各2小節ずつ繰り返すオルガンのパートなど、各種機材の長所を生かす鍵盤サウンドが真骨頂のテーマ曲。レフトチャネルで大いにアピールするピニャテッリの16分割フレットレスもかなりアカデミック。今更ながらの印象ではヴェロシティもフラットな印象のDMXだが、Gm/A/Bbのトライアド分散のパートでスネアの音色を変える効果は絶大。と云うより、リリース当時は衝撃だった。ちなみに、シモネッティのインタヴューによれば、「パオウラ、パオウラ・・」と聴こえるヴォコプラのフレーズは、実際に"Paura, paura..."と歌っていたとの事。 |
02. GEMINI 3:11
タンジェリンドリームのようなシークエンスとマニュアル弾き?のポリシンセが乱舞する前半から一変、フェンダー(ノーマル)のハーモニクスが冴える後半はかなりスリリング。DMXによる一連のシークエンスも切れ味抜群だが、ここでも僅か1拍(16分4つだけ)でのコンガ系生パーカスの効果が絶大。モランテも絡む終盤では、ティンパレスのループやコンガも一気にアピール。劇中では、急転直下を迎えるさまざまなシーンで登場。 |
03. SLOW CIRCUS 2:30
短い1コーラスの間にト長調、ニ長調、ロ長調(Dナチュラルの臨時記号あり)、嬰ヘ長調と4度もの転調を展開するナンバー。構成は2コーラス分のリピートでサクッと終演。神経を逆撫でされる金属音系のSEやバブル系SEはもとより、トイピアノ的な音色とピッチダウンさせているようなヴィブラート仕様のモノシンセのユニゾンリフが、とてつもなくルナティック。ただ、見方を変えれば、Steve
Vaiの"Anthem"のような楽器編成で演ってみれば大化けする可能性も大。ヴォイシングはそのままでも、かなり劇的なイメージで焼き直せるはず。劇中では、主人公(っつか、殺人鬼)と赤い靴の少女が織り成す愛憎まみれのフラッシュバックのシーンなどで登場。 |
04. LESBO 5:17
ポリスの"Message in a Bottle"のようなギターリフ、ベンダープレイが特異な印象のシンセリフが真骨頂のナンバー。刑事ドラマではお馴染みと云ったイメージを抱かされる曲。このナンバーに限らず、1曲目のテーマなどでも言える事は、ハット音色をフィーチャーしないDMXプログラムのスマートさ。基本は8ビートながらも、4分割でのカウベルや2・4拍目のスネアなどのシンプルなコンビネーションで聞かせるリズムプログラムだが、ここにフラットなヴェロシティの8分割のハットが食い込めば、マシーンさながらのサウンドになる事も必至。こんな話もプロであれば当たり前と云った所ながらも、70−80年代のシークエンス技術では、この当たり前のスマートさを実践出来ないプロなんかも沢山いたので。クラウス・シュルツのような世界に突入する終盤では、2曲目"Gemini"と同じシークエンスフレーズも登場。 |
05. FLASHING 6:23
ハットやシンセリフのみならず16分割でのキックも飛び出すこの曲は、意図的に生のアンサンブル感覚とは決別する生粋のシークエンス楽曲。個人的には、70年代の関西ユニット"Dada"を連想。中盤過ぎで登場する16分割のハット+パーカスのDMXユニゾンは出色。モランテもさり気なくアピール。生のティンパニも飛び出すクライマックスは、大音量で楽しめば結構な迫力。劇中では、凄惨な殺戮シーンなどで登場。 |
06. TENEBRE (reprise) 4:13
あと数曲残す位置で挿入されるテーマのリプライズと云うのも何気にヘンだが、実はこの曲、リプライズと云うより、テーマのヴァリエーションとでも呼ばれるべきナンバー。フィルムのアングラ感覚や主要キャストのペーソスを醸し出すヴィジュアル感覚のアレンジ。分散リフ=テーマリフのユニゾンやカデンツ的なコードストロークでは、アルバムでも唯一となるアコギが登場。 |
07. WAITING DEATH 4:19
前曲と同様、テーマのヴァリエーションとでも呼ばれるべきナンバー。劇的なオルガンサウンドによるイントロなどはさて置き、1曲目のミキシングソースからフレキシブルにトラックを抜き去ったマイナスワンのような感じのヴァリエーション。モランテのディストーションが1曲目より鮮明に楽しめる辺りは好感度大。前曲を引き合いに出せば、こちらの方が「リプライズ」と云うイメージに近い。 |
08. JANE MIRROR THEME 1:59
1曲目のテーマリフのパート(ヴォコーダープラスなどのパート)をモランテのアルペジオで3倍カウントにしたようなモチーフの前半から、Gm/A/Bbのトライアド分散を各2小節ずつ繰り返す1曲目のオルガンのパートをエンドレスで奏でる後半だが、それにしても、ジェーン・ミラーって誰なんだ? 劇中に登場する「ジェーン」と云えば、主人公(アンソニー・フランシオサ)の恨みを買う婚約者の女性ジェーン・マッケロウ。「ミラー」と云うのも名前ではなかったと云う見方も出来るが、それにしても、ニコロディ演じるヒロインのアンを差し置いて1曲を費やすと云うのも実に微妙。しかも、サントラでは最後のナンバーと云う事で(笑) |
09. FLASHING (film version) 2:43
ここからがボーナス。アルバムヴァージョンでは、中盤過ぎのハット+パーカスのDMXユニゾンから生のティンパニも飛び出すクライマックスのパートに該当するトラック。アルバムヴァージョンのexcerpts
versionと云った感じで、ミキシングや個々のトラックの位置も全く同じ。 |
10. GEMINI (film version suite) 2:06
アルバムヴァージョンからベースとキックのトラックを抜き去った前半から、フル編成でのワンコーラスの終盤で構成するヴァージョン。終盤のミキシングはアルバムヴァージョンとは全く別。ベースとキックがかなりへこんでいる。 |
11. FLASHING (intro flim version) 0:51
アルバムヴァージョンイントロの全音符タイのシンセトラックをイコライジングしたようなヴァージョン。中音域以下のレンジが抜き去られている為に殆ど原形を留めていないような印象も。 |
12. GEMINI (alternate film version suite) 2:57
アルバムヴァージョンの前半を拡張したようなシンセアンサンブル。アルバムヴァージョンのようなピニャテッリのフェンダー(ノーマル)やスリリングなリズムは一切登場しないが、初モノのシンセサウンドも含む貴重なトラック。云われなけば、タンジェリンドリームやクラウス・シュルツと勘違いする事も必至。 |
13. JANE MIRROR THEME (film version) 0:39
アルバムヴァージョンの序盤を抜き出したトラック。ただし、ハートビートのようなDMXキックは登場せず。録音レベルもアルバムヴァージョンよりデカイ。 |
14. TENEBRE (alternate film version) 0:57
リプライズと題されたアルバムヴァージョン(6曲目)の序盤パートを抜き出したトラック。ミキシングやトラックの位置、録音レベルもアルバムヴァージョンにほぼ同じ。 |
15. SLOW CIRCUS (film version suite) 4:55
前半は、アルバムヴァージョンと同じ2コーラス。バブル系SEを抜き去って、金属音系のSEと鍵盤リフのミキシングのバランスを変えただけ。鍵盤リフのそれぞれのパートがフレキシブルに顔を出す中盤以降は、金属音系のSEを強調するBGM的なトラック。 |
16. LESBO (film version) 3:52
アルバムヴァージョンから終盤のシンセアンサンブルのパートを抜き去ったトラック。ミキシングやトラックの位置、録音レベルもアルバムヴァージョンに同じ。 |
17. TENEBRE MANIAC (spfx bonus track 1) 0:45
怪しい吐息が左右のチャネルを行き来するトラック。まさしくマニアック。 |
18. TENEBRE REMIX (bonus track 2) 5:08
いわゆる"extended"的なリミックスだが、劇的なオルガンサウンドを皮切りに中盤の重低音オルガンをスポット的に引用するイントロパートはインパクト大。 |
19. FLASHING REMIX (bonus track 3) 5:32
アルバムヴァージョンからシンセのイントロを抜き去ったヴァージョン。ミキシングやトラックの位置、録音レベルもアルバムヴァージョンに同じ。スリリングなアンサンブルのパートをすぐに聴きたいような場合は重宝なのかも。 |