01. THE VERSACE MURDER - Main Title (Claudio Simonetti) 3:56
メインテーマ。犯人の刹那的な逃亡劇にもピッタリのイメージ。70年代ホラー的なアコピ、へヴィなオケヒット、ドスの利いたギターVOX、ペーソスたっぷりのシンセストリングスなど多彩な音色が真骨頂の8ビートインスト。先の通り、70年代ホラー映画を髣髴とさせるイントロのアコピの3連だが、面白かったのは終盤でフィーチャーされるアコピの3連。鋭角な8ビートにモタ付くように絡む3連は、事件当時、後手後手に回るFBIのクナナン捜査を表しているかのよう。犯人クナナンの足も地に付かぬ逃走劇のようなイメージにも聴こえるが、何れにせよこの辺りのセンスは非凡。 |
02. I'LL TAKE THE NIGHT (Claudio Simonetti-Rita Chiarelli) 4:09
92年"DAYS OF CONFUSION"の収録トラック。約1分短いアブリッジ版。(以下、オリジナル盤のレヴューとほぼ同じ内容)
85年の"SKYWALKER"でもコンビを組んだリタ・キアレッリが歌詞を書き下ろしたヴォーカル曲。微妙にハスキーなヴォーカルがキアレッリその人。アメリカナイズされたポップ感覚と技巧派メタルの感性が融合する8ビートのロックナンバー。キャッチャーなヴォーカルパートも然る事ながら、ギター+鍵盤の16分割のユニゾンリフなどアグレッシヴなパートがここでの山場。ツーバスも炸裂する鍵盤ソロのパートは、リリース当時のその筋の界隈でもかなりの内容だったと云えるはず。ドナート・イオッツェーリのギターは当代ならではの凄さと云った所だが、シモネッティのここでのソロは当時の鍵盤奏者の中でも稀なポテンシャル。実際、リリース当時に聴いた際には、思い浮かぶのもヤンス・ヨハンソンぐらいだったので。それにしても、ポップとメタルがそれぞれに満開のナンバーと云うのも結構珍しいのかも。イントロが完全ポップでエンディングが完全メタルと判り易い辺りも物凄い。 |
03. CUNANAN'S THEME (Claudio Simonetti) 3:22
アップテンポの16ビートインスト。シークエンスのタイコ+ギターVOX+各種鍵盤と云うピース編成。パラレルに挿入されるカルミナ・ブラーナ(Carmina Burana's Theme)のイントロのパートがクライマックスを締め括る面白い構成。 |
04. AT THE BAR (Claudio Simonetti) 2:03
サロー・ソルバの木管をフィーチャーする陽気な4ビートインスト。劇中では、犯行に及ぶ前のクナナンが昔仲間に三行半を突き付けられるシーンで挿入されていたはず。 |
05. LAGO DI COMO (Claudio Simonetti) 1:38
チェレスタ系のサウンドがサスペリアを連想させる鍵盤多重録音ナンバー。チェレスタ系とエレピ系の音色をスプリットする鍵盤、数種類のストリングス系の音色が中心の1曲。 |
06. ESTOY ENAMORADO DE TI - POCHY E SU COCOBAND (Alfonso Vasquez "Pochy") 3:22
流暢なラテンクワイヤが真骨頂の1曲。金管+木管+アコピ+ベース+パーカスと云うピース編成。中米やラテンの界隈では珍しくも何ともないアンサンブルなのかもしれないが、これって実は相当のスキル。当たり前のように驚かされる1曲。 |
07. VERSACE'S THEME (Claudio Simonetti) 2:43
ヴェルサーチのテーマ曲。グノーのアヴェ・マリアを髣髴とさせるコラール的な1曲。非業の死を遂げるヴェルサーチの鎮魂歌のようなイメージ。中盤ではブルグミュラー25練習曲のようなフレーズも登場。流麗なソプラノはパオラ・ピント。 |
08. SURPRISE (Claudio Simonetti) 0:46
クワイヤ系+ストリングス系+シンベ系サウンドによる鍵盤多重録音ナンバー。"Surprise"と云うより"Suspicious"と云う感じ。怪しいイメージの1曲。 |
09. THE LIMOUSINE (Claudio Simonetti) 2:57
4曲目に続きサロー・ソルバの木管をフィーチャーするシャフルインスト。木管+ギター+鍵盤+エレベ+タイコと云うピース編成も4曲目に同じ。サロー・ソルバ以外のメンツはノークレジットだが、恐らくはシモネッティが全てを独演。80年代のキャリアからすれば、この程度は朝飯前のはずなので。 |
10. DAVID'S THEME (Claudio Simonetti) 1:45
マット・セルヴィット演じるデイヴィッド・マドソンのテーマ曲。アコピのソロに味付けのシンセがジョイント。基本的にはアコピのソロ曲。2コーラス目に味わいが倍増する1曲。 |
11. JEFFREY'S ARRIVE (Claudio Simonetti) 2:25
5曲目と8曲目をジョイントしたような1曲。最初の犠牲者ジェフリー・トレイルと元愛人クナナンの修復不可能な関係を描くナンバー。 |
12. THE KITCHEN (Claudio Simonetti) 1:44
ジェフリー・トレイルが惨殺されるキッチンの情景を描くスリリングな1曲。ピチカートと16分刻みのハットが緊張感を盛り上げる中、ストリングスとティンパニが怒涛のクライマックスに突入。 |
13. MADERA FINA (Johnny Ortiz) 3:56
男性ヴォーカルをフィーチャーする中米度満開の1曲。ピース編成は、金管+アコピ+エレベ+パーカス。6曲目と同様、熟練のパフォーマンスが満喫出来る1曲。とにかく巧い。 |
14. CASA CASUARINA (Claudio Simonetti) 1:32
7曲目"Versace's Theme"の調性を移調するインストヴァージョン。ソプラノ木管の音色も然る事ながら、マンドリンの音色が出色の鍵盤インスト。 |
15. RUSH LAKE (Claudio Simonetti) 1:53
湖畔(第2の惨劇の現場)の情景を描くスリリングな1曲。ギターVOX+タイコによるハードなパートを絵画的なパートが挟む構成。16分割のハットワークのプログラムが出色。 |
16. BODIES FOUDNDED (Claudio Simonetti) 0:49
1曲目テーマ曲の変奏。遺体遺棄現場のビーチのシーンでスポット的に挿入される1曲。 |
17. BLOODY COINS (Claudio Simonetti) 3:02
タイコ+ギターVOXのシーケンサートラックにジョルジョ・パチョッティ(Giorgio Paciotti)唯一の客演となる怒涛のギターソロをフィーチャーする1曲。これは、クナナンが行きずりの相手を毒牙に掛けるシーンで挿入されるスコアだったはず。 |
18. MAMBO - LOS HERMANOS MERCEDES (Anibal Mercedes) 3:49
アップテンポのマンボな1曲。金管+クラヴィ+パーカスによるアンサンブル。ヴォーカル+クワイヤはもとより、金管セクション以下アンサンブルも強力な腕っ節。小編成コンボでも、やはりラテンは強烈なパンチ力。 |
19. FBI (Claudio Simonetti) 3:57
へヴィーな8ビートインスト。ギターVOXのバッキングを背景に70年代ハード系のギターソロも登場するが、恐らくはこれもシモネッティのプレイ。終盤の鍵盤ソロも強烈。サスペリアのテーマ曲エンディングでもお馴染みの木霊のようなシンセ音も、サイレンのようなイメージで随所に登場。 |
20. I'M SO GLAD (Claudio Simonetti) 3:56
女性ヴォーカルをフィーチャーするファンキーなポップチューン。ジャミロクワイのようなフィーリングの1曲。キャッチャーなヴォーカルラインが絶品。イントロのクラヴィもイイ感じ。 |
21. THE NIGHTMARE (Claudio Simonetti) 2:09
アップテンポの16分割りシークエンスに各種SEが絡む前半、鍵盤ストリングスアンサンブルの後半に分かれる2部構成のインスト。 |
22. THE INVESTIGATION (Claudio Simonetti) 1:20
19曲目"FBI"をテンポアップさせたヴァリエーション。 |
23. DISCOTEQUE (Claudio Simonetti) 3:49
へヴィな8ビートのシークエンスとハウス系のシークエンスが交差する1曲。オーネット・コールマンのようなアシッドな木管ソロとエキゾチックなアコピのソロがある種のトランス感覚を演出。 |
24. ME TIENE AMARRAO - LOS HERMANOS ROSARIO (Antonio Navarro) 3:55
中米ラテン系ナンバー第4弾。空耳のネタにもなりそうな流麗なクワイヤ+アコピ+ブラス+パーカスを中心とするアンサンブルは以前の3曲と変わらないが、コンテンポラリーなサウンド処理は限りなくモダン。と云うより、これは中米感覚のモダンなポップ。 |
25. CHIARO DI LUNA (L.V. Beethoven-Claudio Simonetti) 4:42
97年"CLASSICS IN ROCK"の収録トラック。(以下、オリジナル盤のレヴューと同一の内容)
ベートーヴェンの「月光」。ピアノソナタ第14番。8番「悲愴」23番「熱情」に並ぶベートーヴェンの三大ピアノソナタの一つ。ここでのアレンジは、原曲のテーマ1セットからピアノソロに移行した後に新たなコード進行のパートを加えた変奏。と云うか、ピアノソロのパートも原曲には登場しないヴォイシングだが、続くニューモチーフ共に出色の内容。古典のロック的アレンジに端から偏見を持つような方には耐えられないかもしれないが、そもそも「月光」と云うイメージタイトルも後世の人々が付けたもの。ルートヴィヒの苦悩そのものを表現した曲だったのであれば、ここでのアレンジのように創作の喜びに転じるようなドラマティックな展開も見事にはまる。イーヴンな視野で捉えればこれは超傑作。と云うか、かなりシビレる。これはデモニアでもカヴァーして欲しい1曲。 |
26. "THE VERSACE MURDER" - End Title (Claudio Simonetti) 4:20
これは気合充分のエンドタイトル。と云うより、こちらの方がメインタイトルなのではと云う感じ。真打登場とでも云いたくなる強力な1曲。ペーソスとメロウが交差する約2分間のイントロは、他ならぬ10曲目の"David's Theme"だが、続く1曲目モチーフへの連結にも違和感は皆無。と云うより絶妙にフィット。以降のアレンジも1曲目とは全くの別モノだが、これがまた絶妙。"Profondo Rosso"でもお馴染みのミニムーグ的なシンセのリフレインは、アルバム中でも最大のインパクト。スタッカートやピチカートを再現する鍵盤ストリングスも絶品。呆気なく幕を下ろすクライマックスには意表も突かれるが、この辺りは規格サイズギリギリの都合だったのかも。 |