01. 1997: FUGA DA NEW YORK (Escape from New York) - Main Title (John Carpenter) 4:22
ジョン・カーペンター監督作品「ニューヨーク1997(Escape From New York: 1981)」のテーマ。2曲目の「ハロウィン」同様、カーペンター監督が自ら手掛けたオリジナルナンバー。ハウス的なエッセンスとメタリックなバンドならではのグルーヴ感が融合する出色のアレンジ。ペーソスたっぷりの原曲のヴォイシングも輝きを増しているような感じ。オルガンのスケール早弾きやサンプラーのリフレインもこのアレンジでの大きなポイント。「1997」と云うタイトルでありながら「1988」と連呼する女性DJ?だが、これはDJが語るスクリプトの内容の通り。ちなみに、400%の犯罪発生率に達した米国がマンハッタン島の隔離政策を実施したのが1988年と云う内容は、映画の冒頭スクリプトと全く一緒。と云うか、「1988」と聞いただけでこの辺りにピンと来た方は相当の映画通。 |
02. L'ESORCISTA (The Exorcist) - Tubular Bells (Mike Oldfield) 4:49
ウィリアム・フリードキン監督作品「エクソシスト(The Exorcist: 1973)」のテーマでもお馴染みのマイク・オールドフィールドの大ヒットナンバー。と云うより、映画の大ブレイクで著名になった1曲。それにしても、因縁のこのナンバーをカヴァーすると云うのもフツーに微妙。と云うか、曲目を見た際には目を疑った。まぁ、そもそもがバカらしい騒ぎだった訴訟問題だが、ここでは注目の1曲だった事も確か。肝心の内容はと云えば、これが面白くなくてどうすると云う感じ。原曲のリフレインに隠れるヴォイシングを8分割でゆったりと解説するパートが登場するが、ついては、"Profondo Rosso"とは全くの別モノなんだよと云うオチに他ならない。さらに面白かったのは、気合のようなサンプラーの声が挿入される中盤のパート。これも原曲のリリカルなパートをあざ笑っているかのようだった。それにしてもこのカヴァー、オールドフィールドの耳には届いたのだろうか。 |
03. PROFONDO ROSSO - Death Dies (C. Simonetti-W. Martino-M. Morante-F. Pignatelli) 3:01
云わずと知れた"PROFONDO ROSSO"の2曲目。購入当時、最も楽しみだったのがこのトラック。ハープシコードの第2音域E弦(時折Gも)をひたすら打ち鳴らすお馴染みのリフ、16刻みのハットワーク、3小節にまたがる8分割(BDE/BDFAE)のキメなど原曲を踏襲するカヴァーだが、E弦を打ち鳴らすパートにドラマティックなヴォイシングを加える辺りはかなり大胆なアレンジ。シーケンサーでE弦を打ち鳴らす辺りも当たり前のように印象は異なる。原曲よりアピール度の高いアコピのリフレインや、原曲では挿入されないギターのリフレインなどはかなりイイ感じ。クライマックスも俄然盛り上がる。 |
04. EXCALIBUR - Carmina Burana's Theme (C. Simonetti) 4:02
ジョン・ブアマン監督作品「エクスカリバー(Excalibur: 1981)」のテーマでもお馴染みのナンバー。原曲は、カール・オルフ(Carl Orff)の「カルミナ・ブラーナ(Carmina Burana: 1936)」。ここではグルーヴィなビートに終始するハウス系でのアレンジだが、お馴染みのテーマのパートはヴォイシングもそのまま。やや驚かされたのは、そもそもの調性が原曲とは違う辺り。ニ短調(原曲)からホ短調に移調する中、インパクトが何気に異なる事も確かだが、その真意についてはイマイチ謎。ギターのアルペジオとシンセが登場するコーラス間のパートはこの変奏ならではのアレンジ。それにしても、この辺りの移調を含むカヴァーがサクッと出来てしまうと云うのも、他ならぬサンプリング技術の賜物なのかも。 |
05. SEARCHING (C. Simonetti-R. Chiarelli) 4:31
A2に続くメタル路線のメロウな1曲。ヨン様を髣髴とさせるリリカルなイントロからハード度120%の内容。メロトロンの音色にはやや意表を突かれるが、タイコもギターも抜群の切れ味。アコピを終始前面にフィーチャーする辺りもメロウな1曲に相応しいアレンジ。終盤、コーラスリピート直前の8小節のブリッジにも鳥肌が立つ。それにしても、ヴォーカルのリタ・キアレッリと云う女性、葛城ユキさんとイメージがダブる。 |
06. TO FEDERICA (Concerto piano orchestra) (C. Simonetti) 3:13
名曲のカヴァーアルバム"CLASSICS IN ROCK"に名を連ねる「オリジナル」と云う辺りからも、シモネッティの自信が伺える一曲。と云うか、この曲、毒気はないけどマジでカッコイイです。2拍3連の劇的なイントロ、エマーソンを髣髴とさせる数々のリフレイン、アカデミックなリフの数々と聴き所も満載。管弦楽のサウンドもかなりゴージャス。リリース当時はもとより、21世紀初頭の鍵盤インストナンバーを羅列しても最高水準のポテンシャル。名曲。 |
07. BLADE RUNNER - End Title (Vangelis) 4:07
リドリー・スコット監督作品「ブレードランナー(Blade Runner: 1982)」のエンドタイトル。16分割のアルペジオが唸りを上げる原曲だが、ここでは16分割のギターリフで代用。情緒豊かなカリオペ風の音色がメロ(1コーラス目)を奏でる辺りも印象は大きく異なる。ギターVOXやオケヒットのアグレッシヴなサウンドもこのカヴァーならではのアレンジ。終盤のシモネッティのソロは最大の聴き所。 |
08. HALLOWEEN - Main Title (John Carpenter) 4:11
ジョン・カーペンター監督作品「ハロウィン(Halloween: 1978)」のテーマ。原曲そのままのヴォイシングにハウス的なビートを加えたアレンジ。と云うか、このハウス系のビートが絶妙にフィット。それにしても、このファジーなテーマ曲がホラー系映画スコアのスタンダード的な存在になるとは今更ながらにビックリ。映画のリリース当時、予想出来た方などもいなかったはず。 |
09. ROLLERBALL - Albinoni in Rock (C. Simonetti) 4:42
原曲はアルビノーニ(Tomaso Giovanni Albinoni)のアダージョ。ノーマン・ジュイソン監督作品「ローラーボール(Rollerball: 1975)」でも挿入された著名な1曲。作曲はシモネッティと云うクレジットだが、周知の通りこの曲は、元々がアルビノーニのオリジナルとは認知されていないナンバー。ここではストレートな8ビートの変奏に終始しているが、実に効果的だったのは、タイコがリズムを刻む直前でテンポアップする辺り。煌びやかな音色のディストーションギターが如何にバロックにフィットするかを物語る1曲。それにしても、この録音が後年の"CLASSICS IN ROCK"に収録されなかったのも疑問だったが、04年の"Deep Red"盤の再編集CDでは遂に陽の目を見る事に。 |
10. ZOMBIE ZONE (C. Simonetti) 2:20
脈拍や風を表現するSE、ウィンドチャイム、数パートのシンセ、声楽のエチュードのようなリフレイン、エレピのアルペジオなどが交錯する絵画的な1曲。タイトルから察すれば、ゾンビがうごめく危険地帯に無垢な少女が取り残されているようなイメージ。エチュードを歌う女性の声がサンプラーだった事を明らかにするエンディングは、アンドロイドが正体を見破られているようなSF的な面白さも感じるが、そもそものイメージからすればあれは他ならぬ悲鳴。要は、エグイ1曲だったと云う事ですね。 |
11. I'LL TAKE THE NIGHT (C. Simonetti-R. Chiarelli) 5:12
85年の"SKYWALKER"でもコンビを組んだリタ・キアレッリが歌詞を書き下ろしたヴォーカル曲。微妙にハスキーなヴォーカルがキアレッリその人。アメリカナイズされたポップ感覚と技巧派メタルの感性が融合する8ビートのロックナンバー。キャッチャーなヴォーカルパートも然る事ながら、ギター+鍵盤の16分割のユニゾンリフなどアグレッシヴなパートがここでの山場。ツーバスも炸裂するギター+鍵盤のソロのパートは、リリース当時のその筋の界隈でもかなりの内容だったと云えるはず。ドナート・イオッツェーリのギターは当代ならではの凄さと云った所だが、シモネッティのここでのソロは当時の鍵盤奏者の中でも稀なポテンシャル。実際、リリース当時に聴いた際には、思い浮かぶのもヤンス・ヨハンソンぐらいだったので。それにしても、ポップとメタルがそれぞれに満開のナンバーと云うのも結構珍しいのかも。イントロが完全ポップでエンディングが完全メタルと判り易い辺りも物凄い。 |
12. DAYS OF CONFUSION (C. Simonetti) 3:54
87年の「オペラ座/血の喝采」の劇中にも登場するシモネッティのスコア"Confusion"のヴァリエーション。元ネタ曲との違いは、バンドアンサンブルと打ち込みを同期させたアップテンポのドラマティックなアレンジになっている辺り。生のタイコがシンクロした以降も、打ち込みのスネアでオカズが入るなど微妙な印象の小節も登場するが、総じて垢抜けたアレンジ。と云うか、情緒豊かな楽曲がそもそもの段階で感動的。サンプラーのクワイヤも絶大な効果。終盤のミニムーグ的なソロもノスタルジック。 |