1. CRANKY SOUND I (EFFECT) クランキー・サウンド(I) 0:43
少女(アルジェントの娘フィオーレ)が犠牲になる冒頭シーンの音声トラック。その内容は、殺人鬼の足枷の音や少女の悲鳴。何故、収録されているのかと云えば、「頭内音声定位」を排除し、60cm~1mの360度広角での外部から聞こえるような感覚の「頭外音声定位」=クランキー・サウンドをヘッドフォンで楽しむ為。と云うか、隣近所にも聞こえるような大音量で楽しむ訳にもいかないこのトラック、ヘッドフォンで音楽鑑賞する事も滅多になかった個人的には、このトラックは常にパス。針を飛ばす必要を余儀なくされていたので少々ウザかった記憶も。まぁ、実際にヘッドフォンで聴いてみればかなり面白いんだけど。 |
2. PHENOMENA - CLAUDIO SIMONETTI (Simonetti) フェノミナのテーマ / クラウディオ・シモネッティ 4:25
ソプラノはピナ・マグリ女史。トレモロアームも印象的なギタリストは不明。CmとGmのみで構成される単刀直入なテーマも然る事ながら、DMXのイケイケリズムにソプラノをブレンドしてしまう辺りは、さすがオペラの本場ならではのマカロニ感覚。と云うか、それでもかなりカッコイイ。8小節1ルーティン(Ab/G/Ab/Bbのトライアドを2小節ずつ)×2コーラスのサビは、トップのAbを起点にする分散フレーズ(G,F,Eb,Db,Eb,F,Db)が落し所。ちなみに、前作「シャドー」のテーマで分散フレーズの起点だったのはボトムのノート。DMXビートとソプラノの融合もロックラ折衷と云ったこの曲、当初は困惑されながらも、最終的にはアルジェントの全面支持を得たらしいが、そんなアルジェントの心変わりと云うのも、一気にヒートアップする映像終盤のアナーキーな仕上がりに結果オーライと云った感覚だったのかも。 |
3. FLASH OF THE BLADE - IRON MAIDEN (Dickinson) 殺意の閃き / アイアン・メイデン 4:07
84年の大ヒットアルバム"Powerslave"挿入曲。当時の面子は、Bruce Dickinson(vo),Steve Harris(bass), Dave Murray (guitar), Adrian Smith (guitar), Nicko McBrain (drums)と云う5人。映画「フェノミナ」とアイアン・メイデンと云えば、個人的にはHR/HM版チャリティ企画"Hear'n Aid"を思い出す。85~86年当時のアイアン・メイデンと云えば、"Powerslave"の大ヒットでファン層の拡大にも成功、ある意味での絶頂期を迎えていた頃。ロニーの呼びかけで新旧さまざまな面々が顔を合わせた"Hear'n Aid"だが、中でも傑作だったのは、デイヴ・マーレイとエイドリアン・スミスのツインリード。スライドをする2人のアクションが、画面を二分割する同一人物のようにも見えたので。ライヴ映像でのクリップも懐かしいこの「殺意の閃き」、劇中では2番目の少女が犠牲になるシーンとヒロインが窮地に陥る終盤のシーンで登場。 |
4. JENNIFER - GOBLIN (Pignatelli) ジェニファー / ゴブリン 3:50
ゴブリンの看板を一人で背負うピニャテッリ渾身のバラード。6ピースの鍵盤パート(ストリングス、コードアルペジオ2色、リード、オブリガード、タップ・リヴァーブ処理の音色)とリズム・プログラム、生演のギターを一人で担うピニャテッリだが、そんな多重パフォーマンスのポテンシャルも然る事ながら、楽曲そのものと編曲センスがすこぶるグレート。シモネッティの独演ナンバーがフィルム上での実質的なテーマ曲だが、当初は、このジェニファーのテーマを第1テーマにするプランもあった模様。ピニャテッリのインタヴューによれば、ジェニファーのキャラクター性を掘り下げる事なく、ショッキングホラー路線に偏ってしまった映像には失望したとの事だが、ついては、このテーマ曲の挿入も局所的なものに。そんな映像との関係はさて置き、フツーに鑑賞してもかなりの聴き応えのこの曲、ピニャテッリのポテンシャルをまざまざと知らしめた事だけは確かな所。オブリガードを繰り返すフェイドアウトのエンディングの構成もかなりのセンス。 |
5. THE QUICK AND THE DEAD - ANDI SEX GANG (Boswell) ザ・クイック・アンド・ザ・デッド / アンディ・セックス・ギャング 3:32
アンディのソロ名義(正しくは"Andi Sex Gang"ではなく"Andi Sexgang")ながらも、このサウンドは正しく"Sex Gang Children"の面々(ヴォーカルのアンディ、ギターのTerry MacLeay、ベースのDave Roberts、タイコのRaymondo)によるもの。無機質なリフとポップなパートを織り交ぜるサウンドは、70-80年代アングラそのもの。この手の路線は、英米(アンディは英国人)のみならず日本にも多数のフォロワーが存在するが、ボズウェルが手掛けたここでの仕事は一味も二味も違う。その垢抜けたポップセンスは、百戦錬磨のボズウェルならではのポテンシャル。ちなみに、ここでのアンディの関与と云うのも、ボズウェルの紹介でアルジェントと面談したアンディの「サスペリアのファンです」と云う一言で実現したコラボだったとの事。 |
6. THE WIND - GOBLIN (Pignatelli) ザ・ウィンド / ゴブリン 1:20
ピナ・マグリ女史が再び登場。16刻みのシンドラとパーカッシヴなアクセントの終盤のリフは、テーマ曲"Phenomena"のクライマックスのパートを引き伸ばしたようなイメージ。劇中でも効果的な一曲。 |
7. CRANKY SOUND II (EFFECT) クランキー・サウンド(II) 0:44
お忍びで電話→血塗れの刑事と遭遇→死骸と蛆のプールに転落する主人公のシークエンスの音声を収録したトラック。 |
8. FOLLIE - GOBLIN (Marangolo-Pignatelli-Pennisi) フォリー / ゴブリン 3:47
モーターヘッドやFGTHの代用品として「パトリック」から借用された曲。フィルムとは無関係のトラックながらも、正直、マランゴーロのタイコが聴けるだけでもフツーに嬉しかった。「パトリック」の劇中では、主人公の敵役となる陰険な婦長の最期のシーンで挿入されるナンバー。16分割のトライアングルとディシプリン時代のクリムゾンみたいなギターリフ、ベースとタイコの劇的なアクセントが真骨頂の曲だが、楽曲自体はフツーの4/4。ここでのトライアングルのように耳に障るサウンドが特徴の「パトリック」だが、何れにせよ、アルバム「パトリック」の中で最もスリリングだったのがこの曲。 |