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Original Title |
| IL FANTASTICO VIAGGIO DEL "BAGAROZZO" MARK |
| Japanese Title |
| マークの幻想の旅 |
| Artist |
| GOBLIN |
| Release Year |
| 1978 |
| Personnel |
CLAUDIO SIMONETTI: Roland System 100, Minimoog, Mellotron, Organo elka x 55, Hammond B3,
Omni Arp, Steinway, Fender Rhodes MKII, Tastiera Elex, Logan String Orchestra,
Voice (7)
MASSIMO MORANTE: Chitarra elettrica 6 e 12 corde, Chitarra acustica 6 e 12 corde, Voce
Solista (1,3,4,5,6,7), Pedaliera effetti speciali, Chitarra slide, Amplificazione
acoustic, Chitarra con archetto (7)
FABIO PIGNATELLI: Basso elettrico fender con e senza tasti, Chitarra acustica (2)
AGOSTINO MARANGOLO: Batteria gretsch, Piatti ufip, Percussioni
ANTONIO MARANGOLO: Saxophone (8)
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| Label(s) |
| Cinevox (Italy), King (Japan) |
Musiche composte e arrangiate dai GOBLIN
testi scritti da Massimo Morante
registrato al Trafalgar Rec. Studios di Roma dal 12/9 al 20/12/77
registrazione: Giorgio Agazzi
missagio: Gaetano Ria
disegni di Mauro Piccini
transfert eseguito da Arun Chakraverty |
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| Introduction |
| 76年の「ローラー」に続く2作目にして最後のオリジナルコンセプト作品。「ローラー」との大きな違いは、全8タイトル中、6曲にヴォーカルをフィーチャーするトータルコンセプト作だったと云う事。そのプロットは、暴力の蔓延る冷やかな世界「ゴブリンランド」でアイデンティティを見失いかけていた少年が、真の魂を探求すべく「マーク」と云う名の空飛ぶバグキャラと共に旅立つと云う内容。ついては、少年の名前をマークと勘違いしたくもなる「マークの幻想の旅」と云う邦題はややおかしいな気もするが、その実、イタリア語の詞の内容を理解出来ないような状況では、少年の名前が名無しだろうがマークだろうが一切関係なかったりもする。 |
| 「そしてロック」で締め括られる物語の結末は、道を誤った少年がヘロイン漬けになると云うハッピーエンドにも程遠い奇怪な幕切れ。となれば、真っ先に連想するのが、彼らがスコアを手掛けた"LA VIA DELLA DROGA"でも描かれていたような70年代当時のイタリア国内でのドラッグ汚染問題。面々のコメントなどによれば、メッセージ色の強いプロットではなかったとの事だが、少なからずとも"LA VIA DELLA DROGA"での仕事の影響はあったような気もする所。痛快刑事アクションの王道を行くようなスクリプトの一方では、ドラッグ汚染された学生カップルの悲劇の顛末を大きなアクセントにしていた"LA VIA DELLA DROGA"だが、暴力的なドラッグディーラーと関わった挙句に絶命する学生キャラなどは、正しく本作「マーク」に登場する少年そのもの。まぁ、ヴィリディアナの荘厳な情景や華麗なオペラなど"LA VIA DELLA DROGA"には登場しない訳だが、何れにせよ、悲観的なプロットがアルバムのコンセプトとして成立していたと云うのも、当時の世相が如何に深刻なものだったのかと云う事。 |
| そんなプロット面などでの影響力はさて置き、結果的にはプローモーションにも失敗するバンドだが、その最たる理由をモランテのヴォーカルとする解釈などは如何なものか。矢面に立たされたモランテが、後年リリースするソロではヴォーカルのアプローチを改善したとするような論説もあるようだが、現実には全く同じ。いわゆるポップロック路線の後年のモランテのソロ(プロモ映像も存在する)だが、要は、ポップはポップでも、ここでの欧米にも迎合しないポップ感覚は、いわゆるロックのエッセンスを基本にするオペラ的なもの。そのラインナップもアカデミックな楽曲ばかりだった。後年のポップロック路線のソロではモランテの持ち前の地声がフィットしていたとするのであれば、オペラ的なアプローチの楽曲にモランテの地声をフィットさせようと試みた時点である種の矛盾が生じていたと云う事にもなるが、そもそもの話、パンチのあるロック版オペラには定石などもあり得ない。 |
| ただ、伊語のイントネーションをロックで体験するのも珍しかった当時、フツーに戸惑ったのも事実で、STYXのデニス・デ・ヤングのようなハイトーンで張りのある歌い手にでも歌わせればフィットしていた事も確かだが、インストを真骨頂にする四重奏のコンボが歌い手のゲストも視野に入れず真摯に取り組んだヴォーカルアルバムだったと云う辺りは留意したい所。ましてや、そのヴォーカルを担ったモランテと云う人物も、そもそもはインスト路線のギタリストが本職だったと云う事。如何なるアルバムでもそのポテンシャルを数値で推し量るような事は不可能だが、リリースから30年が経過しようとする昨今に於いても繰り返しリピートさせられていると云う事実こそが、本作のクオリティを如実に物語る。「マークの幻想の旅」「ヴィリディアナの滝」「舞踏」「そしてロック」と云う4曲が個人的には大のお気に入りだが、仮にアナログ時代が継続していれば、LP2〜3枚は潰していたはず。ちなみにLPと云えば、イラスト版サージェントペパーズのようなLPジャケット(インナー)も懐かしい所。 |
| サントラ請負の継続を望むピニャテッリ+マランゴーロと反対派のモランテ+シモネッティの間に確執が生じたのも本作のプロモ失敗が原因だったと云う話だが、78年サンレモでのギグの映像やTVスタジオでの「華麗なオペラ」のアフレコ映像などは、そんなプロモ当時の様子を伝える貴重な記録。サンレモでプレイされた本作収録ナンバーは「マークの幻想の旅」「夜」「華麗なオペラ」「ヴィリディアナの滝」「ダルジェントの息子」の5曲。オリジナルメンバー(PROFONDO ROSSOでは客演だったマランゴーロも含む)での活動は、"DISCOCROSS"での覆面セッションやプロイズムの結晶とも云える「ゾンビ」の制作へ続く。 |
ちなみに、チネヴォックスからリリースされたリマスター盤CDには、"Finally back together Goblin"と云うテロップを皮切りに「スリープレス」のアフレコ映像と4人のインタヴューが約4分半のMPEG1で収録されているが、中でも面白かったのは、アルバム「マークの幻想の旅」のコンセプトが半ば自著伝的なものだったと語るマランゴーロのジョーク。新たなコンセプトアルバムの制作もサポート次第では実現も充分に可能としていたマランゴーロだが、やがて迎える06年、DAEMONIAの活動が絶好調のシモネッティを除く形で"BACK TO THE GOBLIN 2005"がリリースされる事に。
以下、作曲は全てバンド名義。 |
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01. MARK IL BAGAROZZO マークの幻想の旅 5:06
歌メロと云うよりスクリプトを謳い上げるストーリーテラーのようなモランテだが、そんな語りのパートを除けば、基本的にはインストパートを真骨頂とする硬派なナンバー。ハモンドB3のソロも飛び出すインスト部分が最も印象的だが、その屋台骨となるのが相変わらずの切れ味を披露するマランゴーロ。ハットワークでのシンコペアクセントも絶好調。モランテの2コーラス目ヴォーカルに続くクライマックスのインストパートも華やか。8分割にすれば(実際は16分刻み)3つ/3つ/2つカウントのシンコペが小気味良い。モランテのギターも印象的。 |
02. LE CASCATE DI VIRIDIANA ヴィリディアナの滝 5:49
イントロに値する前半パートと劇的な印象の後半パートにバッサリ分けられる単純な2部構成のナンバーだが、アントニオのテナーもフィーチャーされる3連12刻み(4/4)の前半パートの緊張感も然る事ながら、後半のカッコよさが半端じゃない。16刻みのスローな4/4をここまで仰々しくプレイ出来ると云うのもスキルの高さに他ならない。フランジャー処理されているようなタイコのエフェクトも効果抜群。壮大な情景も否応なしで目に浮かぶ。 |
03. TERRA DI GOBLIN ゴブリンの世界 4:41
荒涼な世界の住人だったと云う少年(プロットの主人公)のペーソスもストレートに伝わるナンバー。基本的なエッセンスはマーチだが、7/8カウントになる終盤では曲者の片鱗も。 |
04. UN RAGAZZO D'ARGENTO ダルジェントの息子 4:50
16刻みの軽快なナンバー。16分割のシークエンスフレーズが全編を貫く中、時折リンクするアコギのユニゾンも新鮮。クライマックスでの一人歩きするプレイも印象的だが、そんなアコギのパフォーマンスの直後にはヴィオラの多重録音フレーズも。となれば、思い出すのが後年の「ゾンビ」。それにしても、アルジェントの息子が主人公の名無しの少年だとすれば、プロットの結末にも微妙な感覚を余儀なくされる所。 |
05. LA DANZA 舞踏 5:23
タイトルにも象徴されるタランテラのような3連シークエンスが真骨頂のナンバー。シンセのシークエンスに限らずアコギなどにも受け渡される3連フレーズも絶品だが、ヴォーカルパートとの掛け合いになるギターリフのインストパートがとにかくカッコイイ。ワイルドに畳み掛けるクライマックスも圧巻。個人的にはかなり聴きまくった曲です。 |
06. OPERA MAGNIFICA 華麗なオペラ 4:03
ヴォーカルとスタインウェイのデュオでいきなり幕を開けるイントロは、歌劇の本場ならではのポップな感覚。サンレモへの出演も囁かれていた中(映像も残されているサンレモでのギグは音楽祭とは別)、バンドが用意していたのも実はこの曲。RAIに出演した際のサンレモ映像も残されているが、実はメチャクチャ陽気な性格をマランゴーロが露にする辺りは何気に衝撃。と云うか、やはりイタリア人は良く喋る。相手の話が終わらないうちに喋りだすのも常識なのかなと。ポリシンセの8分フレーズも大活躍するこの曲、その音色もエフェクト効果も相俟ってゴージャスだが、アルバムを通して痛感する事と云えば、マルチ鍵盤の多彩ながらもバランスの良さと録音の巧さ。録音の巧さについては「ローラー」でも痛感していたが、これも実は、70年代のイタリアンロックの界隈では結構珍しかったりもする。 |
07. NOTTE 夜 2:51
アルバムのプロットをストレートに物語るスクリプトが登場するものこのナンバーが最後。そんな語りを担当するのはモランテではなくシモネッティ。ついては、サンレモでのギグでもシークエンスがのっけから登場する。楽曲は、8小節のテーマ(4小節のモチーフ×2)+7小節のサビをリピートする語りのパート、8小節のブリッジも含む同一ルーティンでのインストパート、締め括りの語りのパートと云う構成。70〜80年代のジャズインスト(俗に言うフュージョンやクロスオーヴァー)でもお馴染みのストリングス鍵盤と云えば「ソリーナ」だが、シモネッティがかねてから愛用していたのはロガン・ストリングス。エフェクト効果を差し引いての両機の音色の違いが堪能出来る辺りもこのナンバーの聴き所の一つ。 |
08. ......E SUONO ROCK ......そしてロック 4:38
その名の通りロック魂が炸裂するハードな1曲だが、絶叫と呼ぶにもややメロウなスキャットをフィーチャーするパートをテーマとするなら、実にイントロだけで曲の半分を消化。そんな定石を度外視する楽曲の構成も、ドラッグ漬けになる主人公のサイケな末路にはジャストフィットしているようにも思えるが、何れにせよ、これはロックを語るナンバーとしてはかなりの異色度。そんな異色のイントロを彩るアントニオのサックスも、アカデミックな一方では掴み所のないフレーズのオンパレード。無機質な16分割のシークエンスも当時としてはかなり印象的。ハモンドとギターの畳み掛けるソロの直後、不意を突くようにいきなり終わる中途半端なクライマックスもたまらなくプログレッシヴ。 |
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