01. L'ALBA DEI MORTI VIVENTI (Dawn of the Dead) 6:04
タイトなスネア+ハット+キック+ティンパニ、クワイヤ(Mellotron)+ストリングス(Logan)+フランジャーがかったシンセ、エレベによるスローな4/4が12刻みで繰り返される中、WRのブラック・マーケットのようなアンニュイなモノシンセの音色が印象的なテーマ曲。基本的にはコンボスタイルのスタンスを貫く楽曲ながらも、全編に挿入される「サスペリア」でもお馴染みのティンパニはもとより、展開部ではBellTreeを使用、その2コーラス目でようやくモランテのディストーションをフィーチャーするなど、コンボスタイルの傍らでは本題の映像を踏まえての高いプロ意識も伺える。ユーロカットではオープニングを飾るナンバー。ちなみに、USカットのオープニングで使用されたのは、11曲目の「オルタネートヴァージョン」の方。 |
02. ZOMBI (Zombie) 4:24
16分のキックとティンパニから続く展開はフツーの4/4。となれば、ポリ鍵盤(k)とティンパニ(t)のお囃子的なテーマフレーズは、kkkk/t//kkkd/tkkk/kkk/(全部16分割。スラッシュは16分休符。"t"の箇所は、ティンパニだけになる音符)と云う11/8拍子。1曲目と同様、基本的にはコンボスタイルの楽曲ながらも、パーカスのエッセンスはロックバンドの域を超越。メロトロンのクワイヤ+アフリカナイズされたパーカスが映像のモチーフを如実に代弁。と云うか、云われなくてもブードゥーなホラー映画なんだなと気付かされるジャストフィットな曲。ユーロカットではさまざまなシーンで登場するナンバーだが、USカットでの挿入は、モールでのハンティングを終えた主要キャストが階上の部屋に戻るシーンとバイカーの一団がモールに雪崩れ込むシーンの2箇所のみ。 |
03. SAFARI 2:11
当初は、アーカイヴ素材なのかなと思わされたほど。シャウトする辺りはネイティヴの真似にも聞こえるが、アフリカンなスキャットとパーカスのアンサンブルは文句なし。それにしても、これを敢えて吹き込んだと云う辺りがこの仕事でのモチベーションを物語る。ユーロカットでもピンスポット(銃器を調達するシーン)でしか使用されなかったのは只々残念。ちなみに、USカットでは挿入されず。後年、シモネッティのDAEMONIAがサントラの全カヴァーを試みた際には最も楽しみにしていたナンバーだったが、デモニアのカヴァーに原曲の面影がなかったのは、この原曲に因んだオリジナルを挿入していたため。 |
04. TORTE IN FACCIA (Pie in Face) 1:57
ホンキートンクな鍵盤+タイコ+パーカスによるC&W。ルナティックな効果を狙ったピアノも然る事ながら、菜ばしのようなバチでリム打ちしているようなパーカスも面白い。ユーロカットの劇中ではおぞましいゾンビたちの滑稽な姿にリンクさせていた曲だが、そんなウィットもロメロには伝わらなかったのかUSカットでは挿入されず。後年のデモニアのカヴァーも結構面白い。 |
05. AL MORGINI DELLA FOLLIA (Edge of Madness) 1:32
宇宙空間的なシンセ音シークエンスのルーティンだけを抜き出せば、正しく往年のテレビゲームのような曲だが、ここでの主役はエフェクト効果も抜群の16分割り3連シンコペのマリンバのサウンド。ティンパニが顔を出す辺りでは、"PROFONDO ROSSO"の挿入曲「ワイルド・セッション」のイントロを髣髴とさせる。 |
06. SARATOZOM (Shriek) 3:36
スネアの6連シンコペのオカズもゴキゲンなシャフルナンバー。ロックと呼べるようなナンバーも皆無に近い中、いきなりのシャフルは嬉しい限りだったが、購入当時は正直、ウエストコースト的なサウンドには戸惑った。しかも、リードもサイドもモランテだけで、シモネッティは3連のシークエンスのみでの参加。ただ、この辺りがこのアルバムの真骨頂。米大陸の閑散とした界隈を舞台にするシナリオだった事を考慮すれば、恐らくは、サザンなフィーリングのアメリカナイズされたサウンドこそがこの曲のそもそもの狙い。オルガンなどで厚みを増せば、その印象もガラリと変わる。これも偏にフィルムを想定してのバンドのプロイズムと云った所。ただ、面白かったのは、ユーロカットではエンディングを飾りながらも、肝心のUSカットでは無視されていたと云う事。後年のデモニアのカヴァーは、アカデミックなポリリズムの仕掛けがメチャクチャイケてる。 |
07. LA CACCIA (The Hunt) 3:38
2曲目「ゾンビ」の11/8モチーフ、劇的なティンパニ、アコギをフィーチャーする7/8モチーフなど、如何にもな調子のサントラスコア。モランテのディストーション全音符がイイ感じ。ユーロカットでは数箇所で登場するナンバーだが、USカットでの挿入は、トラックのシーンと主要キャストがガンベルトを身に纏うハンティングのシーンのみ。 |
08. TIRASSEGNO (Target Shooting) 2:51
元々がギター奏者だったピニャテッリのアコギやモランテのボトルネックもゴキゲンなC&W。ユーロカットでは"Target Shooting"と云う英語タイトルそのままのシーンで挿入される曲だが、やはり、ヴィオラも絶好調なC&Wとゴブリンのイメージにはかなりのギャップが。しかも、ヴィオラのインプロまでが登場。公開当時の米版サントラによれば、ヴィオラをプレイしているのはシモネッティとモランテだったとの事。確かにボトルネック+ヴィオラ2本での計3本ユニゾンのようにも聴こえるリードインストだが、何れにせよ、多彩でアカデミックだったと云う事で。ちなみに、モノホンのC&Wが使用されるUSカットではこのトラックは挿入されず。 |
09. OBLIO (Oblivion) 5:13
PF「狂気」B面のようなイメージの1曲。サム・テイラーを髣髴とさせるムードナンバーだが、各インストがメロを交換するテーマ構成は何より絶品。アントニオのテナーで幕を下ろす終盤だが、ここまで長丁場のソロがフィーチャーがされるのも、この筋のキャリアでは初めてだったはず。それにしても、山積になったゾンビの死体処理シーンでこのナンバーが挿入されたのには驚いたが、意外な事にも場面のイメージにもジャストフィット。と云うか、ゾンビの「死体」ってのも何気にヘンな話だが。ちなみに、このトラックもUSカットでは使用されず。 |
10. RISVEGLIO (Awakening) 1:04
シモネッティ自身が最高傑作の一つと評するピアノソロ。インタヴューによれば、父エンリコの楽曲にインスパイアされたとの事。悲しみや悲観的なイメージをテーマにしていたと云う話だが、そんなテーマの冒頭は、Dを分母にするE♭メジャーのトライアド分散。噛み砕いて云えば、マイナーなアプローチとは決別しながらも、悲壮感の表現にも成功している傑出した楽曲。基本的にはA/A´/B/Aと云う構成の中でテーマのモチーフが3回繰り返されているが、何とそのサイズも約1分間。長短それぞれの3度で駆け下りるクライマックスのフレーズもかなりスリリング。稀代のセンスが光る非凡な楽曲。 |
11. L'ALBA DEI MORTI VIVENTI (Alternate Take) 5:14
ここからがいわゆるボーナス。ガチガチのアーティキュレイトが真骨頂だった1曲目のテーマ曲を、アップテンポと控えめのリヴァーブで無機質なフィーリングにしたトラック。ハッキリした輪郭のBellTreeがイイ感じ。クライマックスを締め括るのは、マランゴーロのタムを流すフィルイン。ユーロカットでも数箇所で挿入されていたトラックだが、大々的にフィーチャされていたのはUSカットの方。USカットでは、オープニングや序盤の地下室のシーンなどで登場する。 |
12. AI MARGINI DELLA FOLLIA (Alternate Take) 1:40
5曲目から16分割り3連シンコペのマリンバがアウト、エフェクト効果のゾンビ的な声とチャイナシンバルを加えたトラック。 |
13. ZOMBI (Sexy) 2:22
これは初モノ。3連12割のメロウ曲。テーマ+テナーソロでの計2コーラスと云う構成。それにしても、アントニオの悩殺テナーが炸裂するこの曲、"Sexy"と云うサブタイトルには肯けるが、"Zombi"と云う便宜的なタイトルもかなり微妙。まぁ、メチャクチャかけ離れたイメージなので。アントニオの出色のプレイはもとより、ゴブリンの場末のバンドのようなパフォーマンスが楽しめる貴重な1曲。と云うか、そもそもの楽曲自体もかなりのクオリティ。 |
14. AI MARGINI DELLA FOLLIA (Alternate Take) 3:40
8分割のシンセベースに2拍3連のアンニュイなシンセ音、テーマ曲でもお馴染みのモノシンセのリフが交錯するトラック。終盤、テンポを落とした事でシンベのピッチも半音ズレる。 |
15. ZOMBI (Supermarket) 3:17
Gマイナーの倍カウントサイズのブルース。あろう事か、再生中に微妙な刻みでピッチが落ちるのでヒアリングし難い。マスタリングでの苦労が伺えるトラック。ユーロカットでは使用されるが、USカットでは登場せず。 |
16. L'ALBA DEI MORTI VIVENTI (Intro-Alternate Take) 0:56
ユーロカットでは、プエルトリカンギャングの討伐に出向いたSWATがゾンビに遭遇する際のサウンド。クワイヤ音色のメロトロンが絶大な効果。タイトルロゴの背景を飾るUSカットでも、重用されたトラック。 |
17. ZOMBI (The Living Dead's Voices!) 2:10
"The Living Dead's Voices!"って、正にその通りのトラックだが、エフェクト処理が耳に障るために黙って聞いているのも結構辛い。これを聞いて喜びを感じる方々は相当のマニア。USカットでは、他のBGMとのミキシングでフィーチャーされる。 |

周知の通り、イタリア盤オリジナルLPのジャケ裏デザインでも有名なゴブリンのステージフォトだが、この写真に特別な思い入れのあるファンの方々も少なくないはず。斯く云う自分もその一人。と云うのも、オリジナル盤がリリースされた当時は唯一のステージ写真だったため。後にリリースされるベスト盤LPの背面では別アングルの写真がデザインされているが、78年当時と云えば、マジでこの1枚が虎の子のアイテムだった。「マーク〜」のバグキャラが薄っすら見えるステージレイアウトにはワクワクさせられる一方、半身構図のモランテとシモネッティはやや残念だったが、何より嬉しかったと云えば、「ローラー」などのクレジットでも明らかにされていたシモネッティのプレイするローズのタイプが、ステージマークU(シンセが上に載せられているからマークTじゃない)だったと判別出来た事。動くバンドの映像、と云うか、ホームビデオなどもなかった当時は、たった1枚のステージ写真にも甚大な価値があった。 |